パラレル  中学生日記  シカマル萌え題no12「めんどくせえ」より。






















授業も全て終わり、帰宅準備をした生徒達が我先にと教室を飛び出す。

「廊下を走るな」という貼り紙も、まだエネルギーが有り余っている若者の前には無意味だ。

いつ貼られたのか、黄ばんだ紙が生徒達のおこす風によってペラペラとはためいている。

ナルトも今すぐにでもこの狭い教室を飛び出したいのだが、何しろ持って帰るものが多すぎる。

早く帰ってテスト勉強をしなくては、と焦って教科書類をかばんに入れるので上手く収まりきらない。

それに加えて、部活の朝練の用意まであるのだから。

教室の外では一足先に終わったキバが、遅い、と文句を言いながら焦らせる。

「五月蝿いってばよ!!もうちょっと待ってってば」

もうなんでもいいや、ととりあえず今まで置きっ放しにしていた教科書を全てしまい

不恰好なリュックを背負い教室を出た。

テスト一週間前になり、部活動も休みに入った。とはいっても朝練はあるのだが。

今まで朝から夜まで部活漬けで勉強なんて全くしていない運動部員たちはこの時期になって漸く

自分が学生であったことを自覚する。

学校には部活をしに行っているのであって、勉学に来ているわけではない、と今まで思ってきたが

目の前に山積みになっている問題集を見て、やっと現実を知るのだ。

「なあキバー。授業全然聞いてないのに、問題なんか解けっこないってばよ」

授業中には御飯を食べているか、寝ているかしかしていないのに、どうやって問題を解けというのか。

「そうだよな。全然聞いてないもんな。家にもって帰っても無駄無駄」

バスケ部に所属して、レギュラー獲得を目指すナルトとサッカー部のキバ。どうやら同じ状況らしい。

一人ではどうせ勉強に手が付かないので二人で、ということだったのだが二人ともわからないのでは

どうしようもない。

自分だけでもお荷物なのに、更にお荷物を背負い込むのはテスト前には御免だ。

「どうするってばよ?」

「どうするもこうするも・・・」

このまま家に帰ったら、何もせずに寝ることは間違いない。役に立たない重い荷物を抱え、顔を見合わせる。

理解するしないにかかわらず、最低課題は提出しなければならない。

テストも解らない、課題も提出しないでは単位が危うい。

最悪の事態を想像し、二人で顔を蒼くした。

「図書館にでも、行くってば・・・?」

「おう・・・。そうするか。でも、それって根本的な解決になってないよな・・・」





一度も利用したことがない図書館の扉を揃って潜り、キョロキョロと辺りを見回す。

どうやら一階はカフェ形式になっている様子で、テーブルがポツポツと置いてあり、自動販売機もある。

飲み食いも自由なようだ。

二階より上は私語厳禁らしく、貼り紙がしてある。

二人で顔を見合わせる。

「ココにする?」

「おう」

じっと黙っているなんて到底無理なのだからと、そこら辺の空いた場所を探す。

学校に残ってすれば大声で話そうが全く関係ないのだが、二人ともとりあえず学校から出たかったのだ。

部活も何もないのに学校内にいるなんて、そんなことには耐えられない。

キョロキョロと見渡しながら、段々奥に入っていく。

いりぐちに近いところはテーブルにイスだが、奥に行くとソファーが並んでいた。

やりたくもない勉強を硬いイスに座ってやるのは御免だ。

「おー、ソファーだってば」

「んー?ココらへんにす・・・?お?あれって」

「なんだってばよ?あ・・・」

キバの見ているほうにナルトが目線を向けると、よく知った髭面の顔がこちらに向かって手を振っていた。

気がついていなかったのはこちらだけだったらしく、その髭面の前に座っているナルト達と同じ学生服の人物も呆れ顔で

ナルト達のほうを見ていた。

「シカマルー。あとアスマ先生じゃん。なにやってんの?」

とりあえず、重い荷物をシカマルの隣の席に下ろし、ソファーに座る。そしてその前にナルトが座った。

「何って、みりゃ解るだろ。将棋だよ、将棋」

「連れて来られたんだよ、めんどくせえことに」

「シカマル、テスト前だってばよ?」

「そうだぜ。先生のくせに」

机の上には携帯用の将棋セットが置かれているだけで、他には何もない。

シカマルの持ち物もいつもどおり、何も入っていないぺちゃんこのリュックだけだ。

自分達はこんなに苦労して荷物を持って帰ってきているのに、この二人は何をやっているのだろうと訝しがる。

「ばーか。こいつがするわけが無いだろうが」

「え、やらねえの?!それはまずいってば!!」

シカマルが面倒くさがりなのも、今まで提出物を何一つ提出したことが無いのも、小等部からの付き合いのナルトもキバも知っている。

が、今回は小等部のときと違い、中等部ではテストが悪ければ高校へエレベーターで上がれない。

だから受験なんてばっぴらごめんなナルトとキバは必死なのだ。

「シカマルー、テストは真面目にやってたほうがいいって。上がれねえぜ高校」

「そんなの、このオッサンに言ってくれ」

諦めたように溜め息をつくと、盤の上に乗っている小さい駒を動かす。

「「アスマ!!」」

「あー、今無理。いいところなんだ・・・」

キバとナルトの叫びを聞き流し、アスマは長考に入った。ふう、と一息をつきシカマルはナルト達の方へ体を向ける。

「んで?お前らは何しに来たわけ」

行儀悪く椅子の上に片足を立て、カバンの中から筆箱やらと取り出しているナルト達に問う。

「俺らは・・・、あれだ!な?ナルト!」

「おう、テスト勉強だってばよ!」

ナルトは真新しい、開かれた形跡の無い数学の教科書と問題集と机の上に置き、鉛筆を手に持った。

キバはどうやら英語から始めるらしく、こちらも開かれた形跡の無い教科書が机の上に乗っている。

教科書が綺麗なのは人のことを言えないシカマルが、珍しく部活以外に燃えている二人に冷静に突っ込む。

「ふーん・・・。お前ら二人で何が出来るわけ?」

ずばっと確信を突かれた。

「う・・・」

「・・・、兎に角やるしかねえんだよ」

ばっと、行きよいよく教科書と問題集を広げた。



隣には一問目から悩み始めたナルトとキバ、目の前には大分前から次の手に悩んでいるアスマ。

今日は午前中だけで終わりだった為、暇つぶしになるようなものをシカマルは何一つ持ってきていない。

上に上がれば山ほど本があるのだが、わざわざ上にとりに行くのも面倒。

「おい、アスマー。まだかよ」

「もうちょっと・・・」

何かあるはずだ、と頭を抱え込んでブツブツと呟いている。

「だーかーらー、もう終わりだってそれ。終局」

「え?マジかよ?!」

「なんも残っちゃいねえよ。ったく。アスマー、コーヒー」

「へーへー」





「ほれ、ブラックでいいだろ?」

「おー。サンキュー」

渡されたコーヒーを一口含む。アスマも買って来た自分のコーヒーをもって席に座った。

そして、改めて自分の隣で唸っている中学生達を見た。

「何やってんだコイツラ」

「テストベンキョー、だって」

棒読みで答える。そういわれて、アスマは二人の手元を覗き込んだ。先ほどからずっと、二人の手が動いたところを見た事がない。

「そのわりにはノートが白いな・・・」

「本人達はそのつもりなんだと」

シカマルはずずず、っとコーヒーを飲みながらちらりと隣を見やると、アスマが言ったとおりに二人のノートは白かった。

「ソリャまた、気の毒だな」

うんうん、と頷きながらアスマはごくりとコーヒーを飲んだ。ナルトとキバがフルフルと震える。

「さっきから聞いてれば、五月蝿いってばよ!!」

ばっと顔を上げて、二人に向かって叫ぶ。

「そうだぜ!!アスマはともかく、シカマルは人の事言えるのかよ?!」

小等部のときの3人の成績はどっこいどっこいだったのだから。キバの主張は当然だ。だが、それに向かってシカマルは反論する。

「うるせえなあ。要するにテストで点数取ればいんだろ?」

テスト前の課題、とは、要するにテストの点数が足りなかったものたちの救済手段である。

勉強した、という努力は認めてあげましょうというものだ。

だが、その救済こそがいまナルト達を苦しめている。

「そのテストで点数が取れれば今こんな苦労してないってばよ!!」

「そうだそうだ!!それに、俺達と一緒で全く授業聞いてないシカマルがテストで点数取れるわけ無いじゃねえか!」

バスケ部のマネージャーをしているいのが、相変わらず寝てばかりいる、といっていたのをナルトもキバも知っている。

「いや、タブン取れるし点数」

「・・・、マジ?何で?!何でだってばよ?!!」

「何でって・・・」

「何でだーー?!!お前まで俺らを裏切るのか?!!」

身を乗り出して迫ってくるキバとナルトに、少々身を引く。

「裏切るって・・・。さすがに中等部のテストを受けずに高等部に上がれねえのはまずいからよお。

それに、課題をやるなんてそんな面倒くせえこともしたくねえし。だから真面目に答案書くことにした」

それが一番面倒くさくねえ、と自分だけ納得してコーヒーを飲む。

「はぁ?!なんだってばよそれ?!!」

「それじゃあ何か?!今まで点数悪かったのは、端から受ける気が無かったからか!」

仲間だと思っていた人物にあっさり裏切られ二人で頭を抱え込んだ。

「お、やっと真面目に受ける気になったのか?」

「「!!」」

「おー」

のんびりまったりムードで、もう一局いこうか、というような二人の間を割って、悪友の鼻先に教科書を突きつける。

「じゃあシカマル、この問題わかるよな?!!」

「こっちも解るよな?!!!」

「え・・・」



「「お前だけ楽しようなんてそうはさせねえ(ってばよ)!!」」
























「ちーがーうーっ!!何度言ったら解るんだバカナルト!!」

「うえー、だって〜っココとココの数字がー。マイナスになるんだってばー」

「そんなわけあるかっ!」



「シカマル、こえー・・・」

「だからアイツに教わるなんてことやめときゃいいのに」

「何でー?」

「頭の構造が違うんだよ、俺らとは」

「?」

「ま、解んなくてもいいけどな。犬塚、ココ違う」

「何でー?!ぜってー合ってるってー」

「主語が「You」なのになんで動詞が「is」なんだよ・・・」

「なにか違うんだよ?」

「・・・、ハァ・・・。先はなげえなあ」



「先生ー、キバー!!助けてくれってばよ〜!!!」

「ナルト!!うだうだいってないでさっさとやれ!」

「うえー・・うぅ・・・っ」



「「・・・(生贄・・・)」」


























なんだかとってもギャグチック。
ホントはweb拍手用にポチポチ打ってたんですけど、思った以上に長くなった。
webに入れるほど短くなく、ssにupするほど長くない。
うーん・・・。


悩んだ末にとりあえず、ssにup。普通の更新が止まってたんで。ここいらでupせねば。
初パラレルですが、いかがでしょう。
いま、丁度中学生、高校生は期末テストですので同調して読んでいただけたら嬉しいです。
私みたいに、そんなの遠い過去、という方も(笑)当時のことをおもいだしつつ。


とりあえず、決まってることといったら
ナルトはバスケ部、キバはサッカー部。サスケもバスケ部でサクラといのはマネ。
一応全員部活動に入ることになってるんで、シカマルは・・・
文系に入られると、なんだかとってもオタッキーになってしまうので
私としては弓道部辺りに所属してくれるととっても萌え。
リーは合気道部でしょうか(笑)でてこないけど。
アスマは何の先生なんでしょう。
英語・・・?保健体育??理科?
まあ、何でもいいです。
ナルトもキバもシカマルもみんな小等部からの持ち上がりです。
なので、センパイも知り合い多いです。ネジとか。


頭のいい人は、何で相手側から無いのかほんとにわからないと思う。
小学生とか教えてて、「そこで躓かれてもなぁ」というところで躓かれると説明にほんとに困る。
中学生の方程式とか、解らない子はホント解らないみたいですしね。
そのまま、文を式に変えればいいんだよ、といったって解っちゃ貰えねえ。
教え方がへたんですけどね!要するに。
ま、そんなわけです。
好評だったら、パラレル続けて生きたいと思います。
拍手にでも書き込んでくれるとありがたいです。



































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