シカマル萌え題no.16「ナルトと一緒」より









アカデミーを出て直ぐのところに生えている大きな木の下で

日向ぼっこをしているのか、7歳8歳の男の子が二人座り込んでいる。

他の子供達はもう既に帰ったのか、周りには誰もいない。

一人は里では見られない特徴的な明るい金髪。目は青空よりも蒼い。

もう一人は対照的な漆黒の髪。長い髪を頭の上のほうでひっつめている。

金髪の、可愛らしいといって差し支えの無い容姿をした子どもが

幹を背もたれにうとうとしている黒髪の男の子をぐらぐらと揺さぶってなにやら騒いでいる。

「ねー、シカマルぅ〜!!修行付き合っててばよー!」

「却下。それからその猫なで声と口調をやめろ。気色が悪い」

容赦なく、キッパリと言い放った黒い髪の子ども―シカマルに、ムムっと頬を膨らます。

「ケチぃーっ!!なんでだってばよーっ」

「だーからー、やめれ!」

閉じられていた目がばっと開き、漆黒の深い闇が金髪の子―ナルトの瞳を捕らえた。

じっと蒼い瞳を見つめる。

「な・・、何だよ・・・っやるのか?!」

ばっと飛びのき構えたナルトにため息をつく。

「んなわけあるか、バカ。バカ力の相手をそう毎回毎回出来るかよ・・・」

こっちは無い体力を振り分けて使ってるんだ、と一人ゴチる。

「な〜にぃ?バカっていったのはこの口かっ?!!この口なのか?!!」

「イテっイテテテテっヤメー」

両手で頬を引っ張っているナルトの手を引っぱたきながら抵抗する。

が、元の基礎体力が違うためかなうはずも無い。

「IQ200超の期待の星にバカなんて言われたくない。

それに、お前は頭でっかちの体力ナシ男だろーがっ!!!」

「でーっ!!」

引っ張られていた頬を離されたシカマルは、その赤くなった頬を摩る。

「一体何なんだよ・・・・」

一人で怒りくるっているナルトを横目で見つつ、シカマルはわけがわからないと顔を顰める。

頭でっかち、と評された頭で必死に考えていると、見知った気配が近づいてきた。

「なーんか、荒れてるねえナルトは。若いねえ」

一人は片目を額宛で隠した上忍畑カカシ。すっかりへそを曲げてしまい後ろを向いている

ナルトを見下ろす。

「うっさいなあっ!!あっち行け!」

「おやまあ」

「クックック・・・・っ!!ぶーっあーっはっはっは俺ゃもう我慢できねえーーっ!!」

もう一人、先ほどから身体をくの字に折り曲げ、体力ナシ男、とブツブツ呟きながら笑い転げているのは

髭が特徴的な上忍―猿飛アスマである。

目に涙まで浮かべている彼の様子にナルトの神経が再び逆なでされたらしくキッと睨む。

「うっせーな熊っ!!黙れーうっせーバカーっ」

必要以上に笑っているもの、顔を真っ赤にして怒っているが全く相手にされていないもの

そして、その様子を楽しそうに見ているもの。

シカマルには状況が益々わからない。

何故アスマが笑っているのか。そもそも、なぜナルトが怒り狂っているのか。

そのシカマルにカカシが声をかける。

「ナルトはねえ、アレだよ」

「アレ?」

首をかしげながらカカシを見上げるシカマルの視線にあわせるようにカカシが屈む。

「拗ねてるんだよ。シカマルが最近遊んでくれないから」

「そうなの?そうなのかナルト?」

「こらー!!バカカシっ余計なことを言うなーーっ」

「ぶっっくっくっく!いや〜、ほんとにおもしれえなあお前ら」

ヒィヒィいいながら笑っているアスマに再び攻撃を仕掛けようとするナルトを後ろから抱きしめる形で

押さえ込み、カカシは問う。

「んー、ねえシカマル」

「何ー?」

カカシがナルトを抱いているかわりに、シカマルはアスマに抱き上げられている。

「俺とアスマのこと、スキ?」

「なんで?」

突然のセリフに、怪訝そうな顔をしたシカマルにカカシはにこりと笑い再び問う。

「いいからー。スキ?」

「スキだけど・・・」

「じゃあナルトは?」

「ナルトぉ?んー・・・」

アスマの肩に乗った状態で腕組をする。

「っておいっ考えるなよ!!」

ドウドウ、と宥められながらナルトが叫ぶ。

「よくわからない。キライとかじゃないけど」

「っ!!〜〜っ!!」

あーあと、カカシは無言で訴えるナルトの背中をポンポンと慰める。アスマは相変わらず楽しそうだが。

そのアスマが近寄ってきた気配に声を上げる。

「おーい、なんか近づいてきたぞ?」

「そうみたいだねぇ」

そういった瞬間に現れた黒服の暗部が進言する。

「お三方を火影様がお呼びで御座います」

「「「了解」」」

答えると直ぐに暗部は消えた。ナルト以外の3人を呼びにきたらしい。

「任務かなあ?」

アスマの肩の上で足をブラブラさせながら問う。

「さあな。おい、カカシ先行くぜ?」

「オッケー」

直ぐに消えた姿を見送って、ナルトに向き直る。

「ねえナルトー」

「なんだよ?!」

「頑張ってねー」

にっこりと笑ってそういうと、カカシは姿を消した。

「っ!!!なっなんなんだってばよーーっ!!わけわからないけどとりあえずムカつくってばーー!!」



ナルトの叫び声がアカデミーに響いた。













「何してたの?カカシ」

「んー、励まし?」

「嘘付け。遊んでたんだろ?」

この三人によって、ナルトの身の安全は守られている。

とりあえず暫くは、ナルトの恋は本人も気がつかぬところで一方通行らしい。









▽2004・11・05
こんな感じに仕上げてみました。
スレシカ。ナルトはノーマル、ですけど強いです。修行中。
カカシとアスマは小さいころからのお付き合いです。
なんか、予想以上にシカマルが幼い・・・・。





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